斉藤茂吉と言えば、伊藤左千夫門下で、大正から昭和前期にかけてのアララギの中心人物です。
あはれあはれここは肥前の長崎か唐寺の甍にふる寒き雨 (『あらたま』) は、代表歌の一つとして有名。
雨を詠んだ歌は多くはないが、さすがという歌が多い。
- しみじみと 雨降りいたり 山のべの 土赤くして あはれなるかも
- 沈黙の われに見よとぞ 百房の 黒き葡萄に 雨ふりそそぐ
- 寒き雨 まれまれに降り はやりかぜ 衰へぬ 長崎の年 暮れむとす
- あはれあはれ ここは肥前の 長崎か 唐寺の 甍にふる 寒き雨
- ゆふされば 大根の葉に ふる時雨 いたく寂しく 降りにけるかも
- 雨かぜの はげしき夜に めざめつつ 病院のこと 気にかかり居り